思い付き。鉄心毟り取るのに入手してあった、SRX400/SRX600用のイグニッションコイル(ND 129700-1020)を錆止め塗装して改造、8mmのシリコンコードを接続できるように再生してみる事に。で、暇見て今使ってるキタコのコイルと入れ替えて味見予定。
このコイルはもう絶版、既に30年近く前の奴で、実用出来んのか?って気もするが、今迄で一番一次側インダクタンスが高く(4.4mH)、二次側は45H程度あるが抵抗は7KΩ程度と低目、駆動容量が高くしないと放電電圧はダメだったものの、コンパクトでかなり良いコイルだと思うんで..←古いカチカチ・ボロボロコードを回して毟り取り。
まずは
1,φ7mmドリル⇒タケノコ⇒ホルソー⇒φ8mmドリル使って内径φ8mmに穴拡大。(出来るだけ外側寄り堀り下げ)
2,端子センターエグッて、反対側までφ2mmで同軸貫通。
3,変性エポキシ樹脂塗料(レノバスプレー)を吹き込んで内面コーティング。
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参考にさせて頂いたのは以下の方々のブログ。
YAMAHA SRXの情報サイトです(SRX600メイン、SRX250もあります)
http://www.geocities.co.jp/MotorCity/1033/r_c/srxhitentioncode.htm
https://geolog.mydns.jp/
【バイク】SRXのプラグコードをホットワイヤーに交換する
https://ameblo.jp/bikers-brain/entry-11727014270.html
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例えばこの写真
https://stat.ameba.jp/user_images/20131214/21/bikers-brain/6d/6e/j/o0640048012780680418.jpg
で、そこにエポキシ接着剤を塗ったφ2.4mm-L16mmの木ネジを内部の端子タブに命中させて開けた穴に揉み込み。高圧ケーブルは、この木ネジに回して接続出来る様にする。筒内側へネジ先端部は約7mm突き出し。
この反対側からの穴明けの時、実際には穴φ4mm以下が良いみたい。下側からコイル本体側固めてるエホキシ樹脂面が出てしまった。或いは反対側の穴はチョイ上から掘るか。端子に貫通させる穴の方はφ2.4の木ネジに対してφ2mmでは若干緩く、φ1.9位いが良かったかも(現実的ぢゃ無いが)。
←ファンヒーターの近くの暖かい所に暫く放置。
後で残った凹みは変性シリコン系接着剤流し込んで被覆して絶縁強化。
約1週間放置硬化。で、新しく作った似非野呂爺コード使っての放電テスト。
←外被にプラグリス塗って捻じ込み。
充電 @2.2μF @6.6μF
80V 1.5mm 4mm
200V 15mm 19mm
80V印加での結果は、プラグコード無しの場合で調べた結果の7~8mm飛火(約5cmの銅線で直結)に比べると非常に悪い。火花も部屋を暗くしないと良く解らない位い弱かった。逆に200V-2.2μFの時にはコード無しの場合の飛火(約9mm)よりも飛んでいて意外な結果。これだと同じコード付けてで計ったキタコのコイルと変わらないレベル。この辺りは似非野呂爺の付加容量やらプラグコードの分布定数(インダクタンス)の影響なのかも。プラグコードを出来るだけ短く切り詰めれば改善するのかどうか。
やっぱしこのままだとバッテリーレス車且つAC-CDIでの始動性が悪そうな気がするが、7~8μF使って、始動後200V以上に充電上昇すればさほど変わらない程度の放電電圧まで行くか期待かと。一番の期待は一次インダタンス4.4mHと、キタココイルのx1.4倍の時定数があり、その分長い放電時間での低回転トルク期待。感じる程に差があるかどうか...(但し放電点火電力密度は単純には1/1.4)。ボチボチ1回丘で使って見ますか.
←インシュロック通す予定の所にシリコンoリングを通しておいて、成型後に引き抜いて穴貫通。エンジンハンガーには蝋を塗っとくと多少は作業しやすいか..
←なんで再生したコイルをバイクに搭載とか弄り。
HVコードは新しく作ったプリギャップレス(エレキサイトはやめる)の奴。コード接合部は継続使用って決まったら変性シリコンパテとか盛って防水固定予定、試用は仮止めで。
ギッチギチ、アッチ押しコッチ押し込み、配線付け直しとかやって再始動までたかがコイル交換だけで2時間もかかってしまった。
←上面。
始動性は思ったほど悪く無く、一発始動出来た。が、700rpm~800rpmでのアイドリングがキタコのコイルより弱い感じ、600rpm台のアイドリングは続かず出来なくなった。やはり放電電圧が低いかも。あと、排ガスが臭く空燃比が濃くなった感じ、燃焼が弱くなったかも。
問題は、期待している250V以上確保出来る範囲、900~3000rpmで時定数拡大でのトルクアップ効果とか操作余裕向上があるのか無いのか...人が居なさそうな山行ってテストだね。
←GW、何処行ってもハイカーだらけorz..
デンソーコイルにて近場試走した結果、トルクフルで調子が良いのは1700rpm~4000rpm辺り、1200rpmで煽って行こうとしたクタクタクタ~とエンストした。あと800rpm台前半以下のアイドリングは不安定で、どうも220~230V以下の範囲で低進角の時に放電電圧が不足、極低回転域ではキタコのコイルに負けるみたい。キタコのコイルだと1500rpm辺りから使える感触だったのが、1700~1800rpm以上になる感じ。
1700rpm~の快調な範囲では、キタコのコイルよりもトルクが出ている感じ。このコイルをトラ用途で生かすには始動~低回転領域で270V以上辺りに常時維持出来る様にDC-CDI化しないといけないみたい。今のAC-CDIユニットのまま極低回転も同程度の特性が出る様に使うには、ACG側から引き出せる電力はもう余裕無いんで昇圧1.36μF/放電6.6μFぐらいに減らし変更(時定数はx1.4⇒x1.17程度に低下)して妥協かな。
市街地走行の方は5速信号発進で楽勝、この辺りはキタコのコイル(半クラ要若干大)より少しトルクフルで良さげ。燃費は市街~林道程度で、37~38K/Lぐらい、40K/Lまでは行かなかったが結構良かった。トラ車用途の様な高負荷低進角みたいな電圧が必要な使い方には向いてないみたいだが、時定数が大きく街乗りにはヨサゲ。
あと問題か問題無しかまだ分からないが、鉄心が50℃ぐらい、ギリギリ触れるか位いに熱くなって、少々心配になった。
←キタコ(754-0810000)閉磁路改、結合係数kをアバウト測定。
(鉄心枠をしっかり密着結合し組立てしないとインダクタンス下がる..)
1次側から見て2次側を短絡した場合
@100Hz; 2.35mH⇒0.282mH ∴k=0.938
@1KHz; 2.2mH⇒0.122mH ∴k=0.971
2次側から見て1次側を短絡した場合
@100Hz; 73.3H⇒159H Dが0.5超える
@1KHz; 72.2H⇒8.1H ∴k=0.942
10KHz越え100KHzで測ると容量性になるんで、共振点は10~100KHzの間あたり。
一次側から見た場合の相互インダクタンス
@100Hz;+/-376mH
差動接続で負荷とした場合の合成インダクタンス
@100Hz;72.55H
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現用SRX400用コイル(DENSO 129700-1020)を流用の場合に相同として概算した場合(搭載中なんで実測出来ないんで)。
1次側から見て2次側を負荷短絡した場合で、@1KHz; 4.4mH:48H 結合係数k=0.971 と仮定して
一次側から見た場合の相互インダクタンス
@1KHz;+/-446.2mH
差動接続で負荷とした場合の合成インダクタンス
@1KHz;約47.1H
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実際の放電は開放と短絡を繰り返す、中間にハイテンションコードの分布容量やらプラグキャップ迄の抵抗やらあるんで、実際に電流と通電時間、二次側放電時間をナントカして計ってみないと何とも比較できないな。合成インダクタンスだけ見るとキタコ最強なんだが、二次側DCRが12~13KΩ、Densoのコイルの2倍近くあるのがどう効くか...結局はこのまま山走行で使ってフィーリング比較検討するしか無いか。とりあえず現時点でAC-CDIと組み合わせてのDENSO君は信号出だしは良好だけど山走行1700rpm以下はダメっう結論、DC-CDI化で270V以上確保要、っう状況。あるいはAC-CDI、昇圧2μF/点火8μF程度に変更して低回転範囲の電圧を確保(高回転側は妥協)するか、昇圧2μF付けた回路を2000rpm以上でSCRかGTOとか使って切り離して高回転側も電圧確保するか。
それじゃあ仮に、単純に昇圧用コンデンサを増量して極低回転の電圧確保したら改善するのかどうか?
1.36⇒1.5μF
まだまだ。相当に勢いつけてキックしないといけない。
1.5μ⇒1.68μF
結構改善したフィーリング。
始動時に逆火発生
始動直後のモモモモってなカブッた様な症状が解消
ほぼキタコのコイルと同等の低回転範囲になった感じ。
あと市街地~林道の燃費は、約38~39Km/L、若干だけど向上。
過去に色々なコンデンサ組み合わせで実測した電圧からすると、デンソーのコイルで一次インダクタンスが高く取れるとしても、始動250V以上、低回転300~330V程度以上無いと低回転低進角のシビアな点火条件ではキビシイってコトみたい。高回転側は150V程度に落ち込むと思うけど、高進角範囲なせいか特に不具合は感じなかった。
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横道に逸れただけみたいになってしまったが...キタコのコイルの方が電圧が取れる為か低回転の柔軟性も高いしエンストしにくい。電圧高目にすればもっとトルクも稼げるかも。デンソー製(ND 129700-1020)は、1次インダクタンスが高いんで放電も長そう、市街地走行に限って見ればお徳で燃費が良くなる(山はダメ)。
キタコに戻し、昇圧1.68μF/点火7.9μF辺りにしますか。高回転側の電圧低下はエンジン回ればラッキー程度に割り切り。
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2020年、ヤマハのCDIはSCRのカソードにイグニッションコイルを接続、正電圧を印加して駆動する回路形式もあるらしいんで、発生電圧の極性の問題かも。この時点では極性までは確認していなかった。SRXのCDIを解体してみないと結論は出ないね。数KVの2次側交流振動波を安全に測定する方法とか考え無きゃいけないが。
CDIコンデンサは、昇圧用1.68μF/点火用7.9μFのまま。軽くキック踏み下ろすだけで簡単に始動、スローエアスクリューは追加+1/4回転開け適正になった。プラグコードを換えているので厳密には比較出来ないが、アバウトにはインダクタンス云々以前にピーク電圧が足りなかったという事かと。
この組み合わせでの燃費は似た様な近場走って、市街地~林道~丘走りで約37~38Km/Lで何故かデンソーの時より若干低下気味になった。3月時点で舗装路主体での燃費が最高40.5Km/L(搭載部品は多少異なる)だったのよりも悪い。走行の方は極低回転1500rpm前後のネバリはデンソーコイルよりもこっちの方が上だね。林道でヨロケて石に乗り上げてもアクセル捻るだけで楽勝。
あと詰めるとしたらCDI内部電圧は低回転で300~350Vコンスタント出せる様に回路調整、BTDC35度進角可能化あたり。いろいろ弄くって時間消費したり、何故だか僅かに燃費が悪い様な気がするけど実装性、大きさ、性能、やっぱしキタコのコイルにてキマリ。あとCDIのバキューム進角対応化、CDI内部で点火1.5μF→7.9μFと5.26倍増強、プラグコード切り詰め、コイルのGNDライン強化とかで時定数と点火能力向上は目処付き、ほぼ打ち止めかな。燃費も現状1.5倍以上良くなったしメデタシメデタシ。
2021-05
しかし試用中に2週間以内でキタコIGコイル過熱の症状が現れ、内部損傷(閃絡?)した模様に。点火時間も270μS程度に短縮。8μF台では印加電力が過大だったみたい、4.7~6μFに落としてで耐久性が確保出来るかどうか...
このヤマハSRX用デンソー製の変圧比はx104~107、ホンダ系中型車~のx135~200程度(ミニバイ・スクーター系はx230~x270程度)に比べて低い(約x1/1.5~1/1.6)のは、ダンパーDiの短絡を利用して稼いでいるのかも。前提としている駆動回路が相違、そこまで考慮しないと使えないのかも。逆に変圧比の高いホンダ用IGコイルをヤマハ車に流用すると電圧を稼げるが、ダンパーDiの短絡電流でコイルを痛めるかも。でも、セロー系なんかに使用されているF6T535(スズキ/ヤマハ系で使用)は、ホンダ系並み変圧比(推定x160前後)でダンパーDi付き回路でも平気なみたい、現行品なもののしかしアレ、キタコの2倍以上の部品価格だけど。
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