色々なイグニッションコイル漁ってインダクタンス測定、80V印加して火飛ぶかやってみた結果、1970年代のXL250S/XL125S用の奴が今使ってるキタコの赤コイルを上回りそうな感触(2.5mH/45.7H)、前にテストした時の飛火は最大、11mm@-80V印加(開磁路))程度あった。あとこのタイプは1980年代初期、当時のホンダXL250S、XL185S、XL125S、イーハトーブTL125S、CT110、CB250RS-Z、シルクロード L250S、CT250S(?)、FT400、なんかに使われてたみたい。
←で、ド古い奴、NOS品とやらもう1個、ebay取り寄せた所、ケースが割れてて.orz.な奴でガックリしたんだが、再利用出来るかやってみる。コレ、割れてる面裏にして写真出してて騙されたよ~(AS61-CDI)
買ったのは、30500-428-003 の奴、ホンダの機種コードだとXL250S用。インダクタンスは2.5mH/45H@1KHz程度ととりあえず正常っぽい。
まずIPAで洗浄、ファンヒーターの熱風で乾かし、
←変性エポキシ樹脂塗料を流し込んで加熱乾燥。
本当は、サラサラの充填用2液エポキシ樹脂辺りをデシケーター使って含侵させて固めるのが正しいやり方だと思うけど、そんなものは無いんで。
関係無いけど...
最近、ウェビックの広告って、バカセンサーなのか鬱っとおしい、しかもバイクも車にも関係無い広告ばっかし表示されるんで、要素調べてその広告会社のフィードサーバー手繰ってFWに登録、その代理店の奴は全く出ない様にしてしまった。FWに登録したんで全てのブラウザに出ないv。で、ちょっと画面に空白が出来たりするが支障は無かったんで色々な所にも登録。画像とコンテンツが別々の国でホストしてるとか怪しい..
今回は外殻が割れちゃってるんで鉄板巻き補強するのは絶縁が不安、だけど磁気封じ込めシールド兼耐候カバーは付けたい...んで絶縁性のありそうなPETシート物色。物性ウンチクは兎も角、薄いんで3~4枚重ねるか、この上に更に鉄板巻かないと効果無いかも。磁気コア材は物凄く手に入り難い。K単位ton単位って世界で、ちょっと改造が難しい。
←んで小分け品販売してるの発見、調達。
磁界吸収シートMS5000M 日立金属 finemet製
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*註
後で放電テストやってみた所、内層は絶縁では無い事が判明、端面から放電したんで、針を突き刺して抵抗を測った所、5mm離れて1~3Ωだった。絶縁なのは表面のポリ膜だけ。なので、コイルの渦電流や誘導起電力、電界の問題はこの製品では解決出来ない。でも低抵抗体なんで電界遮蔽用、電界と磁界の両方を遮蔽出来、そういう用途には最適かと。だけど、イグニッションコイルの強化流用には良くないかな。
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磁界吸収シートMS5000M 日立金属 finemet製
https://www.hitachi-metals.co.jp/products/elec/tel/pdf/hl-fm9-h.pdf
高透磁性率のナノ結晶軟磁性材料(厚さ0.0018mm)を樹脂(PET)フィルムでラミネートした構造とやら、磁束密度 B88(H=800A/m直流磁界印加時):1.23T(テスラ) (*測定断面積は当然多分単位辺りの場合じゃね)
最大比透磁率(直流)μmax:70,000、使用温度範囲:-40 ~+80℃
ナノ結晶磁性材は、Fe2O3(三酸化二鉄)を主成分
*使ってみたら内層は導電性。電磁界シールドには最も適しているが、今回の目的には合わなかった。
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フェライトのみの絶縁シートもあった
Wurth Elektronik シールドシート,材質:フェライト,長さ:120mm,幅:120mm,厚さ:0.3mm
https://docs-apac.rs-online.com/webdocs/1508/0900766b81508be0.pdf
https://jp.rs-online.com/web/p/shielding-sheets/8235370/
脱気・脱泡はどうするのか...
←セットアップ..
で、後はファンヒーターの熱風に当ててひたすら待つ、↓
乾いてスキマが空いたら塗料を垂らし、↓
再度タッパーに入れて爆縮...繰り返し..
...↑余談だけど、アルコールに火を付けて爆燃させる時、湿らせた軍手した方が良いかと。用心してたが思いのほか激しい炎でタッパの蓋押さえてた親指に「爆燃接触」ヤケドしちまったorz.
デシケーターも調べたら\3000-位いからあるけど、1年に1回使うかどうかだもんなぁ。
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結局後日、簡易デジケーター購入「真空パンケース」BBR4N @\1937-。接着剤やら塗料で汚れるに決まってるんで、丸容器の使い捨て可能な奴でも良かったかも。
....2~3回やったがメチャ危険やし、後半はタッパー1個犠牲に、穴明けして電気掃除機で吸う方式に変更。ちょっと真空度は低いが楽。要は泡が取れれば良いんだし。真空ポンプ?オラの席から数メートルの所に電気で動かす奴あるけど、口金やら作らなきゃいけないメンド臭い。
あとは残った接着剤の皿と一緒にファンヒーターの熱風当てて完全硬化待ち。皿の接着剤がカチカチになったらコイツの中も固まった筈。
ペラペラのシート1枚付けただけで2.5mH/45H⇒3.27mH/55.5H@1KHz、23~30%もインダクタンス上昇。2枚巻くと、3.35mH/57H、最終的に合い口にも幅3cmに切った奴巻いて一周する様にして3.37mH/57.5Hになった。実際にはペラペラで断面積無いんで、それ程には磁束飽和量は増えないと思う。何せCDIからの駆動電流は、ピークで20A台にもなるし。
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*シート内部は絶縁じゃなく、導電だった(後述)
そろそろ固まったか、っう事で放電テスト...問題発生orz.
80V印加で、3~4mmしか放電しません
磁気シートの端面から端子へ放電発生、シートが絶縁体じゃ無かった
or,ポッティング不良かもorz.
←シート剥がしてテストしたら、6~7mm放電、
シート付けてると不味いじゃねか
←且つ磁気シートを剥がしたら簡単に剥がれちまったorz. 接着不良。中身の方はガッチリ固まってるみたいだけど、プラスチックプライマー塗布+再充填かよorz.
幸い絶縁破壊した訳では無く、磁気シートが期待した絶縁体でなく導電性が有っただけみたい。剥がして再度電圧印加したら7mm程飛火。で、シート端材に針突き刺してみたら1~3Ω@5mmしかなかった。針との接触も考えると殆ど金属導体状態かと。磁気シールド用途としては電気抵抗が程々有るその方が良いんだが、今回の用途には不味い...再度樹脂充填して0.3mm鉄板を切り出して巻いてみる、或いはチート諦めて真面目に鉄心を探す、あるいはそのまま素で使うか.
この磁気シート、ペラペラのくせに0.3mm鉄板よりも透磁性あって、程々低抵抗って、電界遮蔽にも使えるね。でもイグニッションコイルの材料には向かないかな。
全く取らぬ狸の皮算用状態。先は無駄に長そう。
そうこうやってる内、4~5mmしか火が飛ばなくなった..壊したかもorz.現時点で再測定、二次側インダクタンスが若干下がった様な..ハマッたかもorz.
上(新品)@1KHz D Q DCR
一次側 2.45mH 0.1 10.3 1.1Ω
二次側 43.5H 0.08 12~13 10.29KΩ
中(NOS補修品) D Q
一次側 2.58mH 0.16 7.8 1Ω
二次側 42.5H 0.12 7.9 10.04KΩ
下(中古品) D Q
一次側 2.59mH 0.5~1.2 7.9 1Ω
二次側 47H 0.1 9 10.69KΩ
損失係数が経年で劣化って、こんな部品でもあるみたい。年月で絶縁素材が変わってる可能性もあるが..中で短絡してるのかどうか..?
0.3mmの鉄板を巻いてどうなるのかもやって見たが、一次側3.2~3.3mHに増加するものの、飛火距離は変わらない感じ、どれも4~5mm@-80Vに落ちてしまった。コイル壊したか、やり過ぎでDC-REGの中のコンデンサがイカレタのかも。もっとテスト方法や再現性の高い方法考えないと不味いか。
なんか投機失敗、惨敗の予感が..
1時間程置いて、再度やってみた所、どのコイルも8~9mmの飛火に回復、壊して無かったかなぁ。どうもDC電源内部のコンデンサ(ケミコン)が逝かれたみたい。電源も古いしorz.これはコレ用のテストベットちゃんと作って定量化して比較しないとダメみたい(メンド臭せぇ...)
結論から言うと、ヒビ割れコイルは修理できません、ほぼ確定。
←200V-2.2μF印加のツール作って、リアルに近いテストした結果
30~40年経年正常品 8mm飛火 (250V印加だと約12.5mm)
ヒビワレNOS品 4~7mm飛火
リアクタンス見る限り正常そうだけど、内部で絶縁破壊したらしく段々飛火距離が短く、最終的に半分に。
考えて見れば内部の絶縁体が膨張して殻が割れてるとか、絶望的やな。思いっきり海外のクソに騙されちまった。やっぱし生鮮食料品と一緒、最近の探した方が良いって結論かとorz.
とりあえず気取り直して正常品の中古コイル使って色々測定。点火コンデンサの容量を変えて駆動してみる。
印加 @-200V
XL250S 2.5mH/45.7H @1KHz (中古品)
刻印 TEK AS61-CDI
結果@-200V
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2.2μ / 4.4μF / 7.7μF / 8.8μF
(コイル単体)、約、8mm / 21mm / 25mm / 27mm
0.3mm鉄板巻き (2.9mH/55H @1KHz)
飛火、約、---- / 20.5mm / 24.5mm / 27mm
XL125S用鉄板ステー付き (3.1mH/60.2H @1KHz)
飛火、約、---- / 21.5mm / 26.5mm / 25.5mm
XL125S用鉄板ステー+0.3mm鉄板巻き (3.29mH/66.5H @1KHz)
飛火、約、---- / 18.5mm / 23mm / ---
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バッテリーレス車始動時の低電圧・低駆動容量の場合
@-80V
2.2μ / 4.4μF / 7.7μF / 8.8μF
(コイル単体)飛火、約、6mm / 6mm / 10mm / 8.5mm
XL125S用鉄枠付き
飛火、約、2mm / 6mm / 8mm / 9.5mm
0.3mm鉄板巻き
飛火、約、2mm / 6.5mm / 7.5mm / 7.5mm
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0.3mmの鉄板巻いたり、鉄枠でインダクタンス稼ぐのはダメみたい。ちゃんとした電磁鋼板の鉄心ならマシになるんだろうか...
付加4.4μF以上、アバウト5~7μFで駆動すればベストな放電電圧、始動時の低電圧を考慮した場合は7~8μF使えばソコソコが出せるみたい。
仮にインダクタンスが、1.9⇒3.8mHと2倍になったとすると、点火時間は伸ばす事が出来、ピーク電流も減る筈、但し時定数も1.4倍で問題無いのかどうか。前に簡単に測った時、プラグコードも含めた構成で赤コイル1.9mHの場合、2.2μF、230Vで、20Apk-3腹240μS程度、スクーター用コイル47μH-2.2μ-230Vのセット構成だと26Apk程だった。素材が違う、磁気飽和が発生して損失するかもは全く無いと仮定、3.8mH-2.2μFでの予想としては10Apk-336μS辺り、1500rpmでBTDC11°で点火だとTDCまで1.2mS、その範囲には入るが、4000rpm@28度だと1.1mS、6000rpm@28度⇒777μS、8000rpm@28度⇒582μS...余裕ありそうだけども。SCRが無事にターンオフ出来るのかどうか。万一次の充電サイクルに入ってしまい、ACGの充電位相が正相になってしまうとターンオフ出来ないかも、この辺の位相関係の測定は今の道具立てだとイマイチわからんし。でも世の中XL250S用として実車存在するんだから大丈夫かも知れんが。
仮に合う鉄心が見つかったとして予想9mH/135H程度(@2.2μF)に出来ただと、2倍強の~517μS辺り、これでも8000rpm迄は回せるかも..? あと同じ進角設定でノッキングしないかどうか、っう問題もあるね。
(↑フライホイールDiを、IGコイルに付加しないAC放電の場合)
合う鉄心は手に入らないが、古いコイルから毟り取った鋼帯が手に入ったんでくっつけてみた。同時に0.3mm鉄板巻き。
←4.86mH/96H @1KHz にインダクタンス、アップ。
D 0.36 / 0.3
CDI式に電圧印加しての飛火は、
80V印加
6.6μF 8.8μF 9.9μF
3mm 4mm 4mm
200V印加
21.5mm 23mm 23mm
80V印加の方が低下してしまいました..Dが悪いんで、もっと質の良い電磁鋼板とか使ってちゃんと作れば良くなるかも..
4.8mHだと、2mHのx1.5倍の時定数、それだけ放電時間は長い筈なんだが、80Vの低電圧で駆動した時の落ち込みが酷いな。これだとバッテリーレス車での始動時は苦しいんじゃないか....いずれにしても駆動はやはり7μF台前後までが適正上限なのは変わらないみたい。このコイルを使う、性能出すのには何も付けない「素」のままが一番コスパ良さげ、鉄心は不要、純正鉄枠は可、逆に絶縁性のある樹脂で固定枠作った方が良いかも。
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