オクやらメルカリで、TLR250Rと同じ旧型アナログICのMB4213を使用している、FTRやらXLR(MD22系)のDC-CDIやら探していて、目にしたXLR200R(MD29/KCN)/XLR125R(JD16/KCM)のCDI(CI656/CI656A)、たまたま裏面の写真があったので見たら、見覚えの有る様な「丸い汚れ痕」...
←丸い汚れ」コレ、DCDCインバータブロックの電源コンデンサなのでは?
今迄、ホンダ系の1990年代頃の機種では、だいたい排気量230cc以上の車両にしか「高級」DC-CDIは搭載されていない」と思ってて、200cc以下機種用のジャンク部品には注目していなかった。全く以って盲点。
早速ネットでMD29(XLR200R/KCN)とJD16(XLR125R/KCM)の配線図を確認のために検索。結果、ズバリなpdfとかは見付からなかったが、2機種はそもそもパーツリストとサービスマニュアルが共通、配線は(XLR200R)KCNに関してはDC-CDIのパターンだった。
https://auctions.afimg.jp/d534763575/ya/image/d534763575.4.jpg
https://tsk1919.com/ex_partslist/%EF%BC%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%84%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%EF%BC%BD/HONDA/XLR125R%20%20XLR200R.pdf
https://tsk1919.com/ex_partslist/%EF%BC%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%84%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%EF%BC%BD/HONDA/XLR125R%20%20XLR200R.pdf
Chapter 1 .
2025-5月
とりあえずヤフオクにてXLR200R用KCNタイプの中古調達(動くかは不明な奴)。約jp¥3000円程だった。2019~2023頃の白熱した部品ボッタクリ高騰は一段落して、またジャンクが入手し易くなりつつある感じ(出品もさすがに少なくなっている感じだが)。
XLR200R/125R系はたしか1993年から生産販売、入門用の位置付け、商業的にはどちらかというと影が薄かった様に思う。その後の世代だとXR230、SL230あたりにあたる製品だったかと。
CI656 3.8 191
ゴム製のホルダを外した状態。
(他に CI656 3.6 301 など版次もある模様)
幾つかの出品者の説明文だと、15年位い前からの保管品、動作不明」とかだそうな(そういうアイマイな言い方の奴はすなわちアレだなぁ...)とか。だいたいどれも少なくとも15年以上は経過、下手すると生産初年度1993年(約32年前)にまで遡る可能性もあるかも。
外形 L109.2xW55.7xH22.8mm (SMDCコネクタ(4p+2p)部別)
外形寸法はコネクタは別として、TLR250Rのエアクリ上には双方加工してギリギリ嵌るサイズ。
...この時代の奴は大概、あの有名な液漏時限爆弾(電解コンデンサ4級塩問題)の奴だろうから、動いたらラッキー」程度。全く通電歴が無ければ使える可能性は高いが、実機搭載で使用歴がある奴の内部は腐食やらハンダ割れ」で痛んでいる可能性が高い(KLX110用とかFTR223用とかは特にハンダ割れ」とアレだった)。巷では走行6~7万キロ電装限界説」又は、毎日稼働して電装寿命3~4年説」とかも昔はあったしな。コンデンサが死ぬ過程でトランスやスイッチングTrも過負荷や鳴音・振動で痛んでいるかも。過去に分解した奴は100%トランスのコアが割れてたし。トランスの割れ具合」で、リアクタンスが低下すれば、DCDC自励発振が不安定だったり停止したり、過剰なピーク電流が流れてTrも熱劣化している可能性もある(Trが故障していたケースは無いが)。
製造元は、新電元
先ずは通電して無負荷挙動とか。それから早速、角を削り落とすとかしてIPA+アセトン漬けで分解~中身確認しますか。
(CI656 3.8 191 版)
電圧印加したりDMMで当たってみた結果
(ホンダの一般的なDC-CDI、SMDCコネクタ配置と仮定)
電源端子....無反応orz.
SGND~PGND端子、導通は無い。どちらかがNC。
CI656 3.8 191 版 IG~PGND間にダンパーダイオードが有る模様。
CI656 3.6 301 版 IG~PGND間にダンパーダイオードは無い模様。
同時に付属していたXLR200R(KCN)用IGコイル(スクーター用タイプ、開磁路)
1次:46.6μH@1KHz/DCR0.49Ω
2次:1256mH@1KHz/DCR3.1KΩ 等価変圧比x164
付属プラグキャップはネジ端子用(120°タイプ、赤色、NICHIWA _VD05FMH)、4.9KΩ抵抗内蔵。
IGコイル仕様はTLR250Rと同じだった(取付形状は異なるので付かないが)。DC-CDIを豪華に奢っても、こんなショボコイルでは全然オフロードはダメダメだったのでは... 少なくとも同時代だったらオフ車は、XL250S(AS61CDI)、VTR1000F、VTR1000SP1、DR-Z400(F6F535)、とか位いの(4st用高インダクタンス+高変圧比)デカコイルでないと。
Chapter 2.
...1日経過、表面から皮1枚、1~2mm程度しか竹串で掘れなかったので、削らない・IPAだけ」に無理を感じてしまい、ガソリン:アセトン:IPA、1:1:1混合溶剤に計画変更、ケース温存は諦めて角を削り、とっとと膨れさせ解体してしまう事に(容器も当然ガラス瓶に変更)。~2日目、ガソリン(膨潤期待)+アセトン(浸透・溶解期待)の混入で効果テキメン、5mmぐらい一気に竹串で削ぎ落せたよ。
3日目。かなり取れて来た。
コントローラ MB4213
インバータ電源:1000μF-25V 日コン PF(M)
IG:?μF 250V (日立)
コアサイズ PC18クラス?
やはり4級塩常習犯PF君だった。これは同じサイズの最近の奴に替えるか、穴を増やして最新の有機ハイブリッドコンデンサ4個ぐらい構成にすればヨサゲ。
裏側パターン、PFコンの裏だけ腐食痕なのか変色して、グリーンレジストが剥がれて銅箔が露出している(ポッティングで酸素が遮断されていたおかげか錆ている程でもない感じだが)。
点火用コンデンサはU-CON製の良い奴ぢゃなくて日立とかの一般品?、差を付けているのかも感。コレ、前に似た日立の奴を測定した事があるけど、経年劣化なのかもあって高域の成績が悪かった。なので、コレも最近のパワエレ用のポリプロピレンコンデンサ(MPP)ににすれば良いかも(XLR200自体持って無いけど)。
4日目、かなりゴムが取れて来た所で一旦溶剤を飛ばして部屋上げ、大型の部品をスッポン外し」測定に。今回はトランスのコアは割れていなかった(初めて)。基板は紙エポ片面みたい、1ランク上の250ccクラス用のDC-CDIとかのガラエポ製基板よりもコストカットされてるみたい。C14に固体タンタルが奢られている。
良くあるリミッター回路の4049とかが無く、逆にトランジスタが全部で6個と多い(最小構成は4個の筈)。トランジスタでリミッターを構成しているのかも。(違った。インバータ関係が多い)
基板サイズ:L104.4xW51mm 実装厚(裏~表)21mm、最大部品高17.8mm
コントローラ U1:MB4213
インバータ電源 C1:1000μF-25V 日コン PF(M) φ18-h16-p7.5mm
HV、自励式フライバック
T1: コアサイズ EE18クラス?
IG C6:2.2μF 250V (日立 ) 26x15x9mm-p31mm
SCR 3P4MH
IGダンパー D8: S2V31
SW Q1:2SC2334 L32S (hfe62)
HV-EN# :2SD1581
Rrpm:273KΩ(581KΩ@473相当) (3000rpm前後頭打ち?)
Radv:49.7KΩ(@473) (進角開始1500~1600rpm?)
Crpm C15:104H(フィルム)
Cadv C16:473H(フィルム)
pin11出口積分器 C14 :CS 0.15μF35V
Pick入力部積分器@2.2μ50V(日コンKME) x2
内部電源コン、10μF50V(日コンKME)
自励式 2SC2334L/1次側・2次側共に電流制限抵抗の様な物は無し。
---
C1、1000μF-25V PF(M)、裏面底板に水溶性液体で濡れ
残容量
1075.5μF/D0.056/Q16.69/ESR0.0-mΩ/Θ86.5/@100Hz
1021μF/D0.486/Q2.05/ESR70mΩ/Θ64/@1KHz
--μF/D--/Q--/ESR62mΩ/Θ--/@10KHz (測定可能範囲外にて不明)
6.78μF/D0.334/Q3.01/ESR80mΩ/Θ69.7/@100KHz,
C6(IG) 2.2μ250V 日立製 (前に分解したFTR223用と同じ外観だが特性は良好)
2.26μF/D0.001/Q794/ESR800mΩ/Θ-90°/@100Hz
2.254μF/D0.003/Q270/ESR260mΩ/Θ-89.7°/@1KHz
2.26μF/D0.007/Q132.3/ESR50mΩ/Θ-89.5°/@10KHz,
1.67μF/D0.087/Q11.46/ESR80mΩ/Θ-84.9°/@100KHz
T1 (トランス仕様/外側にカプトンテープ巻きして補強へ)
EEコア w19.2xh16xt9.7xtic2~2.4mm(2.2?割れていないので分解実測は無し)
1次:45.8μH@1KHz 平角線が使われているみたい。
2次(未使用/補助電源用?):214μH
2次(励起巻線(フィードバック)):52.4μH
2次(HV):1027.7μH 等価変圧比x4.73(なのでフライバック用か)
(特に印字の様なものは無い。ボビン側面「KM」「R2」)
点火コンデンサは日立の一般品」とかデスってごめん。前に見た日立製の2タイプの特性は経年劣化なのか酷かったが今回のC6は結構良い奴、高成績のU-CON製に近い性能」だった(なのでPPかな)。Q1のhfeは、Lランク規格内に入っているが下限ギリギリ、少々アップしないと低温が心配かも感(他の解体品も確かhfe68~80程度だったので、メーカー設計上は問題無いのかもだけど(あるいはトランジスタも経年劣化?))。
劣化故障しているのはC1だけ、あと、トランスT1とC1の回りのハンダ色がくすんでいて、腐食の影響なのか割れている感じがする(明確な断線までは無いかも。C1のランドは腐食で完全に貫通しているみたいで、裏のレジスト膜も痛んでいる)。感じからC1が劣化してインバータ発振停止、ゴミ」、又は、アイドリングだけはたまに動くがフカすとエンスト」って所だったのかも。はたまた終末期にはアイドリングどころか始動初爆すらせず」だったのとか...。コレ、実動車解体」とか謳って売ってたけど、ヤフオク現実はコンナモン」なんだろうなぁ。
D8(IGダンパー/S2V31)は、S2V互換一般品だとすると1KV-2A(最大耐圧1.4KV、300Vとかでは当然、恐らく無い)、Ifsm50~60A、trr1.5μS程度の物かも。これは大型のIGコイルに替えるなら、FRDタイプ1KV、Ifsm60~80A、40A2/s程度の耐性のある奴に変更しないと不安かな。
基板サイズの方は長さ約105mmで、残念ながら百均ダイソーのケース(和泉化成製 品番3257(内寸、約L95xW57xh39.5mm))には入らない。
一旦、C1周り軽く水洗してから再度、溶剤漬けでキレイにしてから再組み立て、絶縁保護に軽くラッカー(クリア)塗装噴き、再通電してみますか。しかし今現代、クルマは車線から外れると警告して来るのはアタリマエ、4ツ輪が多少飛ばしてもバイク並みリッター27Kmとか走ってしまう、中国ぢゃ、この2月に家庭用足付きロボコを約200万円で発売」御時世に30年前のアナログCDI弄りとか...
清掃完了
紙エポ基板が質が悪かったのか内部が層状に剥離してるみたいな感じで劣化している。今迄で一番状態が悪い。銅箔が3箇所、接着が弱かったのか剥がれてしまった。全体的に後で変性エポキシクリア塗料とかを浸透させて補強かな。(銅箔は2液エポキシ接着剤で補修)
裏側のランドはハンダ割れだらけ、解体の過程でトドメを刺してしまったかも、ランド穴の丸い形に陥没している物も多い。次、まずは回路図マンガ作成。C1を手持ち松下製EEUFKタイプ(EEUFK1V122S)に交換、~組み立てて通電してみんべ。(基板全面ハンダ再盛り)

結果(約24℃)
電源を与えただけでは起動しない。(KILL)端子の地絡、GND落としが必要だった。なので、最初の試験の時は無反応だったが、それは故障では無かったのかも(ま、ハンダ割れが酷かったので結果は大差無いのでは)。KILL信号は、正論理又はOPEN(端子開放))。ポイント~AC-CDI車種一般とは逆パターン。リミッターは無かった。XLR200Rの配線図だと(KILL)端子は実際には、サイドスタンドSW、クラッチSW、など始動保安系に繋がっていて、XLR200Rにはキルスイッチは無く、メインキーSW(電源on/off)だけしか無いみたい。
インバータブロックの制御は、パルスピック信号のエンド側(TDCに近い方、負電圧相)で発振停止(つまり点火中に発振停止せず電流が流れて短絡してしまう位相角がある)、インバータの安定始動電圧は、約+6.2V付近以上、サージは約0.4Apk。通常電源電圧帯でのHV電圧は230~250V程度。
無負荷HV電圧
≒HV電圧@≒電源電圧
100V@+4V
200V@+6V (~+6.2V前後までは効率が悪いらしく大電流(~0.4A)が流れる)
231V@+10V
245V@+12V
250V@+13.45V
280V@17.45V
C1など代替候補(1個付け寸法互換品の場合)
C1(φ18-h15~16mm p7.5mm)
UHE1V102MHD 1000μF-35V 10000hr 2.23Apk@100KHz ESR43mΩ
EKY-350ELL122MM15S 1000μF-35V 10000hr 2.21Apk@100KHz ESR43mΩ
EEUFK1V122S 1200μF-35V 5000hr 2Apk ESR38mΩ
UHE1E122MHD 1000μF-25V 10000hr 2.23Apk@100KHz ESR43mΩ
EKY-250ELL122MM15S 1000μF-25V 10000hr 2.21Apk@100KHz ESR43mΩ
EEUFC1E122S 1200μF-25V 5000hr 2Apk ESR38mΩ
10μF-50V
EEUFR1H100 など
2.2μ-50V
セラミック2.2μF-50V X5R/X7R ラジアル など
CS 0.15μF-35V
セラミック0.15μF-50V X5R/X7R ラジアル など
Tr, hfe 70~100程度で再調整(-20~+50℃、通過電力~18W程度目途)。
他案、ESRを補い雑音を吸収させるのに、0.1~1μF-50V(3225M X5R)チップコンデンサ2~3個を基板全体にバラ追加、雑音と異常発振リスク低減にインバータT1電源ラインにリアクトル又はフェライトビーズ追加、など。
EKY-350ELL122MM15S 1000μF-35V 10000hr 2.21Apk@100KHz ESR43mΩ
EEUFK1V122S 1200μF-35V 5000hr 2Apk ESR38mΩ
UHE1E122MHD 1000μF-25V 10000hr 2.23Apk@100KHz ESR43mΩ
EKY-250ELL122MM15S 1000μF-25V 10000hr 2.21Apk@100KHz ESR43mΩ
EEUFC1E122S 1200μF-25V 5000hr 2Apk ESR38mΩ
10μF-50V
EEUFR1H100 など
2.2μ-50V
セラミック2.2μF-50V X5R/X7R ラジアル など
CS 0.15μF-35V
セラミック0.15μF-50V X5R/X7R ラジアル など
Tr, hfe 70~100程度で再調整(-20~+50℃、通過電力~18W程度目途)。
他案、ESRを補い雑音を吸収させるのに、0.1~1μF-50V(3225M X5R)チップコンデンサ2~3個を基板全体にバラ追加、雑音と異常発振リスク低減にインバータT1電源ラインにリアクトル又はフェライトビーズ追加、など。
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